876人が本棚に入れています
本棚に追加
水泳部は二日間ともシンクロ。演技部は一日目に演劇が入っているし、吹奏楽部は二日目にコンサートが入っている。本番まで何かと忙しいらしかった。
それを聞いた比泉は納得したようで、勢いよく手を上げた。
「はいはいはいはーい!みっちゃんみっちゃん、俺からも意見いいですかー?」
「あー……。五月蠅いけど、比泉」
鳴海に指されると、比泉は嬉しそうに立ち上がった。
「あのさ、凪ちゃん達が抜けても別にいいんじゃないかな。揚げるのは凪ちゃんに教えてもらって、家で訓練すればいいし。寮生は食堂のおばちゃんがいい先生になると思うんだ。客寄せは凪ちゃん達のクラスにポスター貼ったり、見回る時にでもこっちに寄ってくれればいいと思うし。どうせみっちゃんも暇でしょ?」
一息でべらべらと喋り終えた比泉。比泉の意見を聞いて、鳴海は唖然とした。
「……アキラが初めてまともな意見だしやがった」
思わず比泉を名前で呼ぶ鳴海。それほどビックリしたんだろうか。
「しっつれいな!」
鳴海の言葉に、ぷくっと頬を膨らませながら座る比泉。でも、鳴海がその案を採用すると、少しだけ嬉しそうに笑った。
「じゃあ、担当と時間を決めよう。一年生は都合が悪いようなら正直に言うことっ!」
鳴海の指示でさくさくと進み、その日は解散した。
最初のコメントを投稿しよう!