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教室に戻ると、へろへろになったクラスメイトと委員長がいた。その中で、嵐だけがパックの豆乳をキュウキュウ飲んで座っていた。
「あ、おかえりー」
「……これはどういう状況だ?」
「んー?わかんね」
そう言って少しだけ目を逸らす嵐。昼間から見かけないと思ってたけど、もしかしてずっとサボってたのか?
俺が疑いの視線を送っていることに気付いたのか、嵐は乾いた笑いをした。
確信。絶対サボってたな。
「あ、おかえりなさーい……」
委員長が俺たちに気付いて、魂の抜けたような力のない言葉を発した。
「どうしたのさ委員長」
「いやー、浅羽君達がいなくなったのと同じ位に皆さん部活の方に行ってしまいまして。まだ帰ってきてないんですよ」
なるほど。それで人がいなくなって作業スピードが落ちたってわけか。まあ午後からは部活の時間とは決まってはいたけれど、こんなに一気に抜けるとは思わなかったのだろう。
一応声をかけたが、勝手に抜けてしまった俺たちも悪い。
「じゃあ、今日はもう作業出来ないね」
外を見たらもう夕方。たぶん、部活に行ったメンバーはそのまま帰宅しているだろう。
疲れ切った委員長たちの代わりに、俺と水越、あと働いていないからたいして疲れていないはずの嵐で、作業の後片付けをした。
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