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「おはよ、凪。どうした?元気無いけど?」
水越に言われて俺はビクッと肩を震わせる。
しばらく考えて、俺は小さく答えた。
「……夏バテしただけだから」
水越に嘘をついた。
すぐにばれそうな嘘を。
正直に言う勇気は俺には無かった。
「そっか。無理するなよ」
水越は心配そうに言って席についた。
水越は本気で心配してくれたのに、俺は嘘をついてごまかした。
その罪悪感も溜まって、俺の体調は更に悪くなる。
昨日があれで今朝もあんなことがあったんだから、体調も悪くなると、俺は思いたかった。
俺はぼんやりと、今朝のことを思い返した。
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