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しかし、考えていても仕方ない。
俺は冷たさの無くなったタオルを外して鏡を見る。
……うん。目立たない。
俺は台所に向かった。
一応一人分の朝食をお盆に乗せて、嵐のいる離れに行く。
最初はそうでもなかったが、離れに近づくたびに足取りが重くなった。
俺は、離れの襖の一歩手前で止まってしまった。
「……やっぱり、気まずい」
言ってみたところでどうにもならないが、呟かずにはいれなかった。
「……凪?」
ドクンッ……。
嵐の声を聞いただけで、俺の心臓は大きく跳ねた。
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