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淀橋君はショックを受けたようだが、すぐに笑って答えた。
「そう……ですか。お話、聞いていただいてありがとうございます」
「あ、こっちこそゴメンね」
こうやって俺達の会話は終わった。
二人して気まずい空気を流しながら、帰る準備を始めた。
「あ、それじゃあありがとうございました」
そう言って走り出す淀橋君。
すると、淀橋君の前に、人影が見えた。
そして……。
ドンっ!
勢いよくぶつかった。
ぶつかるのは別にいいかもしれない。が、ぶつかった相手が悪かった。
「あ゛?なんだこの餓鬼」
淀橋君がぶつかったのは、うちの学校の不良を束ねる先輩だった。
「ひっ!ごめんなさい」
淀橋君は謝るが、先輩は許す気がないようだ。
「許すわけ……ないだろ!」
いい遊び相手だと思ったのだろう。
先輩はそのまま、殴りかかった。
ベキッ!
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