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◇ ◇ ◇
「……遅い」
俺は自販機のジュースを飲みながら、凪の帰りを待っていた。
凪が告白されに行ってから、もうすぐ30分になる。
ここから剣道場まで5分としても、長すぎだ。
「……なんかあったのか?」
なんて呟くと、どこからか声が聞こえた。
よく聞くと、それはこちらに向かっていて、しきりに、助けてください!と言っていた。
俺が声のした方を見ると、走って来る一年生の姿が見えた。
「おい、どうした?」
俺が尋ねると、その一年生は立ち止まり、涙をボロボロ流しながら訴えた。
「あ、浅羽先輩が!不良の先輩に殴られて……」
「!!凪が?」
一年生が首を縦に振ったのを見て、俺は走り出していた。
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