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不良達が近づいてくる。
手には何も持っていなかったので、俺は少し怪訝に思った。
てっきり俺に暴力を奮うつもりなのだろうと思っていたから、拍子抜けしてしまったの方が正しいかもしれない。
なんてぼんやり考えていると、不良の一人に髪を思い切り掴まれた。
「っ!」
「おお、可愛い顔してんじゃん」
「ホントに男?」
不良達が好き勝手なことを言っている。俺はそれに、睨みで返した。
そんな俺を見て、不良の一人が近づいて来る。
それを見た、俺の髪を掴んでいた不良が離れる。と同時に、近づいていた不良に腹を蹴られた。
「ぐっ!」
鳩尾に、殴られるよりも重い一撃。俺は一瞬、呼吸が出来なくなった。
「なぁ、ホントにやっていいの?」
不良の一人が後ろで偉そうにしていた先輩に声をかける。
先輩はニヤリと笑って言葉を発した。
「……顔以外な」
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