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それは一方的な暴力だった。
先輩は手を出さず、不良三人が殴る、蹴るの繰り返し。
それだけではなく、壁に打ち付けたり、そこらへんにあったボールをぶつけたり。
顔を狙うなという先輩の命令は、殆ど意味が無くなっていた。
「はい、次!」
「うっ……」
「はい、よ!」
「……」
もう呻くのも辛くなり、視界も霞んできた。抵抗するのは最初の方で諦めていたが、抵抗してもしていなくても大差なかった。
「あれ?もうおしまい?」
「もしもーし?生きてる?」
不良の声が遠くの方から聞こえてきた。反応しようにも、指先一つ動かせない状況だった。息をしているのが、不思議なくらいだ。
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