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そのあとの不良達の行動は早かった。
あの動かなかった先輩までも意気揚々と近づいて来たのには驚いてしまった。
一人は俺のワイシャツを、ポケットから取り出したナイフで引き裂く。
けれど、俺はワイシャツの下にTシャツを着てるから半裸になるということはなかった。が、それもあまり意味がなく、すぐに八つ裂きにされてしまった。
もう一人はどこからか取り出したデジカメで写真を撮り始める。
顔、首、胸、腹、腕、縛られた手首と、上から順に撮っていく。
カメラのレンズがねっとりとした視線の様で気持ちが悪く、嫌な汗が流れた。
他の二人は、俺を軽く押さえながら、撫でる様に首や腕を触ってくる。
その妙な手つきに、俺は肌を粟立たせた。
嫌で嫌で仕方がなく、俺は全てを拒絶する様に目をつぶる。
しかし、感覚は消えることはなく、それどころか余計にリアルに感じた。
そしてとうとう、不良の一人が下に手をかけた。
その時だった。
倉庫の扉が勢いよく開けられたのは。
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