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「でも、四歳になる前に嵐の体調が悪くなって、父さんの会社も雲行きが怪しくなってきて……。
母さんは身体がそんなに丈夫じゃないのに無理して。
だから、少しでも負担を減らそうと家事を必死に覚えて。
ただ笑っていてほしくて。
心配をかけたくなくて。
邪魔だと思われたくなくて。
要らないなんて言われたくなくて……」
幼いこいつが、幼いなりに考えた結果だったのだろう。
どちらも親に一番迷惑をかける年頃。しかも、片方は病気持ちというオプション付きだ。
どちらが邪魔なのかはすぐにわかる。こいつのように少々特殊な場合は尚更だ。
「……けど、やっぱり少しは、俺の事見てほしかった」
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