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俺は嵐を放置して、委員長を探す。
委員長はクラスメイトの何名かと打ち合わせをしているようだった。
「あ、浅羽君!ちょうどよかったです。浅羽君の家は、ご兄弟で参加ですか?」
俺が頷くと、バッグから名簿を取り出し、チェックを付ける。
なるほど、ちかちゃんに報告するのか。
「はい。全員参加ですね。じゃあ早速移動しますか」
昨日よりも嬉しそうに委員長が話す。
俺は委員長に笑い返しつつ、委員長の荷物を見た。
委員長の荷物は、小さなサイドバッグが一つ。
対する皆は、泊まりということもあってか、リュックだったりボストンバッグだったりだ。
あれでは少な過ぎではないか?
疑問はまだある。
うちのクラスは、男子だけでも五十人弱。
全員を泊める事の出来る場所が、本当にあるのだろうか?
「じゃあ皆、電車に乗って下さい」
俺は疑問を感じたまま、皆についていくように電車に乗り込んだ。
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