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委員長を探して寺の裏に回ると、委員長と何人かの同級生がいた。
どうやら、皆で薪割りをしているみたいだ。
「委員長、呼んでたって聞いたけど……」
「あ、浅羽君ですか?ちょっと待ってて下さい」
委員長はこちらを振り向き、俺のところに急いでやってきた。
「じゃあ、あとはよろしくお願いしますね!」
後ろにいる皆にそれだけ言うと、委員長は俺の手を引っ張る。
俺はよろけながらも委員長について行った。
「何してたの?」
「ああ、あれですか?お風呂掃除と薪割りを頼んでいたんです。兄さんだけの仕事じゃ大変ですからね。免除組の皆さんにやってもらいました」
免除組というのは、この合宿が始まる前にちかちゃんが決めた、課題免除の人達のことらしい。
俺も入っていたらしいが、そんなこと初耳だ。
また、免除組は課題をやらない代わりに、合宿中の生活を支える役割を貰うのだそうだ。
「それじゃあ、俺はなにやればいい?」
「それは着いてからですよ」
委員長はニコリと笑って、それ以上教えてくれなかった。
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