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伊達丸を抱きながら、ふざけるように笑う嵐に、俺は頭の奥がスッと冷めていった。
俺がぐちゃぐちゃになるまで考えても、嵐にとってはなんでもなくて。
こんなふうに色々考えた俺が馬鹿みたいだ。
「……薬瓶、忘れてたぞ」
「ああ、ありがとう。探してたんだ」
俺はポケットの内から薬瓶を乱暴に取り出すと、無理矢理押し付けた。
「わっ、どうしたの凪」
「……なんでもない。風呂入ってくる」
早くここから離れたくて、嵐の顔を見ないように駆け出した。
嵐が何かを言っていたが、俺は無視して風呂場に向かった。
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