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いったいどの位の時間風呂に入っていたんだろう?
風呂は俺が最後だから、誰かに迷惑をかけたというわけではないが、流石に入りすぎたと思う。
なぜなら、風呂から出たら月が空の一番高い所にいたからだ。
俺は布団が敷いてあるはずの部屋へと向かいながら、ずっと嵐のことを考えていた。
嵐は俺に告白したけれど、告白した後は普通だった。
そう……普通なのだ。
本当に告白されたのかと思うほどに。
早く嵐に答えを出さなければと思えば思うほど、頭の中は嵐の事でいっぱいになる。
それこそ、今まで普通に接することが出来たのが不思議なほどだ。
だからこそ、嵐の普通さが不安になる。
本当は全部嘘で、嵐がからかっているだけではないか。
俺だけがこんなに必死に考えているのではないか。
そう考えるだけで、胸の奥にドロドロしたものが溢れてくるような不快感が俺を襲った。
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