合宿

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 訳の分からない不快感は部屋に近づくたびに色濃く渦巻いて、正直苦しい。  苦しさからか吐き気がこみ上げてきて、俺は廊下にしゃがみ込む。  しゃがみ込んだから治るというわけではないが、立っている方が辛くなりそうだ。 「……浅羽君?」  後ろから声をかけられ、振り返るとそこには委員長がいた。 「大丈夫ですか?気分でも悪いんですか?」  目線を合わせ、心配してくれる委員長。俺が何も言わないのに、手を貸してくれて、それが申し訳なくて……。  泣きたくなった。 「……ごめん、委員長」 「いえいえ。少しそこの部屋で休みましょう」  すぐそばの部屋に入る。  そこは小さい客間になっていた。  委員長は一度部屋を出て、しばらくしてからお盆を持って帰ってきた。 「どうぞ。気分が落ち着きますよ」  差し出されたのは湯呑に入った緑茶。  俺は受け取ると、一口だけすすった。 「あ、美味しい」 「でしょう?僕、このお茶っ葉が好きなんですよ」  嬉しそうに微笑み、自分も緑茶をすする委員長の姿に、少しだけ落ち着けたような気がした。
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