1. 祐子

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キーコはテーブルの上に音を立ててグラスを置いた。 グラスが傾き、縁から溢れ出たソーダがテーブルを汚す。 それを見て、祐子は思わず眉を顰めた。 なんで、この娘はいつもグラス一杯に飲み物を汲んでくるんだろう。 おかわり自由なんだから、こぼれないぐらいの量に加減してくればいいのに。 キーコはテーブルの汚れには目もくれず、ソーダのついた指先を舐めていた。 「ねえ、なに揉めてたのよォ?」
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