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そういえば、委員長に友達はいるのだろうか。
僕が友達といえばそうなんだけど、僕以外の人間と話している姿はあまり見たことがない。たまに見かけてもそれは事務的な会話という感じで、親しいという雰囲気はあまりなかった。
黙っていれば彼女は美人だ。入学当初から言い寄ってくる男子は多かったらしい。
しかし、初対面でいきなり「あなた、納豆にはネギとカラシ、どっちを入れるのが好き?」とか言ってしまう女の子と、一体誰が付き合おうと思うのか。
クラスの女子たちも仲良くなろうと頑張っていたみたいだけど、委員長は結局誰とも仲良くなることはなく、どこかのグループに所属することもなく、クラス委員長というポストに収まっている。
しかし、そこである疑問が生じる。
なぜ彼女は、僕とは話をしてくれるのだろう。
たしかにふぁーすといんぱくとはある意味で衝撃的だったから、それで気に入られたということはあるのかもしれない。
だけど、たったそれだけの理由で僕をクラス副委員長に指名したり、昼休みに「とっておきの場所」に連れて行ってくれたりするだろうか。
もしかしたら、僕は委員長にとって重要な存在になっているのかもしれない。
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