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(というのは、さすがに自惚れか)
暮れなずむ教室の中で自分の考えに突っ込みを入れる。
どうか寂しい奴だと思わないでほしい。黒板の消し残しを処理するのも日直の仕事なのだ。
「よし、こんなもんだろ」
さっきの自惚れと一緒に黒板の汚れを丁寧に拭き取る。
黒板は今にも金色の光を放ちそうなぐらい綺麗になっていた。
我ながらあっぱれな仕事である。
「お疲れ様」
自分の席で学級日誌を書いていた委員長が、ねぎらいの言葉を掛けてくれた。
「ありがとう。委員長も終わったところ?」
「うん、今終わったところ」
委員長はペンを止めると、パタンと日誌を閉じた。
「帰りましょうか。職員室まで付き合ってくれる?」
「もちろん」
鞄を持って2人で教室を出る。
学級日誌を担任の先生に出すのも日直の仕事。そして、職員室まで一緒に行くのは僕たちにとって当たり前のことになっていた。
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