思い込み

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  「え……」 答えにつまってしまった。 言われてみれば、たしかにそうだ。 今まで考えてみたこともなかった。 どうして僕は、委員長と仲良くしているのだろう。 でも、「どうして?」と問われても、答えは出てこなった。 なんかこう、胸にモヤモヤとしたものがこみ上げてきて、僕の気道を塞いでいる。 明確に言葉にできないというか、そんな感じだ。 「……どうしてだろうね」 だから僕は、曖昧に笑うことぐらいしかできなった。 「そう。でもね、私にはちゃんとした答えがあるの」 委員長の瞳は、深い黒色をしていた。少し濡れた双眸に見つめられて、僕は動きを止める。 彼女はゆっくりとまばたきをすると、静かにこう言った。
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