思い込み

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      「だって私は、あなたのことが好きだから」 恥ずかしかったのか、委員長は顔を伏せてしまった。 誰もいない廊下に2人きり。 赤い影をバックにしての、突然の告白。 あまりに突然のことだったので、僕は思わず、 「……ぷ」 吹き出してしまった。 「あはははははは! 委員長、からかうのはよしてくれよ」 またいつもの妄言だと思った。 委員長が僕を好きだって? ありえない、ありえない。 言うに事欠いて、この人はなんてことを口走っているのかと。 そんな見え透いた嘘、真に受けるわけないだろう。 初めからタカを括っていたから、気づかなかったのかもしれない。 俯いた委員長が、肩を震わせていたことに。 「なかなか面白い冗談だったよ。でも早く帰ろう? いい加減にしないと遅くな――」 僕の顔面に、学級日誌が飛んできた。 なまじ厚いだけに、なかなかの痛さだった。
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