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昔々あるところに、超絶かわいい女の子がいました。
性格は大人しく、まるでお人形のような女の子は、物心ついた時から男の子たちの人気者でした。
中学校に上がると、真剣にお付き合いをお願いしてくる男の子が出てきました。
でも、女の子はそのお願いをいつもいつも断わっていました。
好きな男の子がいなかったからです。
モテモテのくせに、お高くとまっている。
そんな女の子の態度を、まわりの女の子たちはあまりよく思っていませんでした。
表には現れなかったものの、女の子は次第に嫌われるようになっていきました。
ある日、女の子は学年で1番カッコイイ男の子から告白されました。
その男の子は、多くの女の子の憧れの的でした。
しかし女の子は、やっぱり断ってしまいました。
その男の子のことも、好きじゃなかったからです。
次の日から、女の子はいじめられるようになりました。
告白を断ったということが、瞬く間に広がっていったからです。
昨日の友は今日の敵。
今日の敵は明日も敵。
敵の敵は、やっぱり敵。
女の子に味方はいませんでした。
無視をされ、悪口を言われ、靴を隠され、教科書を破かれ、時には暴力を振るわれながら、女の子は考えました。
どうしてこんなことになってしまったのか、と。
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