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女の子は変な子になりました。
私が嫌われてしまうのは、人に好かれてしまうから。
変な子になれば、構われなくなる。
構われなくなれば、好かれなくなる。
好かれなくなれば、嫌われなくてすむ。
傷つかなくてすむ。
そう考えたのです。
奇行に走り、奇妙なことを口走る。
言い寄ってくる男の子たちは一言話しては去って行き、いじめっ子たちも気持ち悪がって近寄らなくなりました。
やがて女の子は、独りぼっちになってしまいました。
だけど、それでよかったのです。
誰とも関わりを持たなければ、好かれることはない。
好かれることがなければ、嫌われることもない。
変な子だと思われて、それだけですむ。
傷つくよりも、よっぽどマシ。
女の子は、高校でも変な子でいようと思いました。
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