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「幸せだね…」
桜の言葉の意味が理解できなかった。
幸せって…
何で突然そんなこと?
「幸せだよ。
翼みたいな優しい人にそこまで思われる人は。」
そう言うと桜は少し近づいて俺の肩に頭を乗せた。
ドキドキする…
なんて言えばいいのかわからない…
こうゆう時はどうしたらいい?
頭撫でてあげればいいの?
「何も喋らなくてイイからもう少しこのままで居させて?」
ここで俺も何か言ってあげられたらいいんだけど…
こんなの初めての経験で何もわからない…
俺は肯定の意味を込めて優しく頭を撫でてみた。
合ってるのかな…?
桜は今にも消え入りそうな声で「ありがとう」と一言呟いた。
そのままどのくらいの時間居ただろう。
何分?
何10分?
もしかしたら何秒かもしれない。
今度は「ごめんね」って一言呟く。
そこで気がついた。
桜が泣いてる…
俺は左手に持っていたギターを置いて両手で桜を抱き寄せた。
もうどうしたらいいなんて考えてない。
自然とそうしていた。
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