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「翼はいつ頃退院できるの?」 桜はまだ俺に抱きついて顔を見せようとしない。 俺が大好きって言ったことには振れてくれなかったしね。 「退院は…わからないよ。 俺にもっと度胸があったら早く退院できるのかもしれないけどさ。」 手術を先延ばしにしていることを素直に話した。 あまり重い病気じゃないってことも言った。 「治るんなら…早く元気になった方がいいよ。」 「……うん。」 「私はね…翼が羨ましい。 翼には夢があるじゃない? それに向かって頑張ってるじゃない? 私にはそれができないから。」 出来ないって何だよ。 何で出来ないんだよ。 俺は不安でしょうがなかった。 だってさ? そんな言い方じゃ桜の病気治らないみたいじゃん… 「だからさ? まだまだ可能性がある翼が羨ましい。 これから芸能人になる翼が羨ましい。 ………私はね… …………長くてもあと1年しかないの。」
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