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目を開けても、そこには暗闇が広がっていた。
これでは目を開けているのかさえ怪しい。
しかし身体中に走る激痛が自分が起きているのだということを教えてくれた。
同時に、自分が生きているのだということも。
「……っぁ」
痛みに震えながら身体を起こす。
……痛い。
身体のあちこちが痛みで軋んでる。
――それでも、自分は生きている。
「――……どうして」
どうして、あたしは生きているんだ?
どうして、こんなにも身体が痛むんだ?
どうして――
暗闇の中、あたしは震える腕で冷えた両肩を抱いた。
「どうして……殺してくれないの?」
独り、呟いた言葉は、誰にも届くことなく、闇に消えた。
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