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席に座り直しながら、呻き声を上げるフウリを見下ろし言う。
「遊んでばっかいないで牛乳飲んだらどうだ?マメが」
「ぅ、うるせぇよ!言われなくても毎日二本は飲んでんだよ!つか、てめえがデカ過ぎんだろが!ノッポ!!」
「誰がノッポだ!!」
ゴンッ!と鈍い音を立ててフウリの頭が跳ねる。
再び呻き声を上げ、フラフラと立ち上がったフウリがこちらに向かって指差す。
「ぜっ…絶対お前の方が牛乳飲んだ方がいいぞ…。すぐキレるのはカルシウム不足の証し…」
「てめえが禁句を躊躇いなく言うからだろうが。そしてあたしはカルシウムが足りてないんじゃない!我慢が足りないんだ!!」
「自分で言うくらいなら我慢する努力をしろよ!ダメノッポ!!」
「誰がダメノッポだ!!」
「ごふォぅッ!」
今度は回し蹴りを腹にお見舞いしてやると、面白いくらいにフウリの身体が吹っ飛んだ。
教室の壁に背中を叩きつけられ、今にも死にそうなフウリの顔がこちらを見上げる。
「トイロ…お前、それでも女か…?どんだけ怪力なんだよ…」
「お前こそ、それでも男か?フウリ。そんなか弱いままじゃ彼女が出来ても護ってやれんだろうに…あっ、そもそもお前みたいなのに彼女なんて出来るワケないか。すまんすまん」
「てめぇ…ッ!」
「ちょっ…二人共ケンカはダメだってぇ!」
不意に背後からそんな声がかけられて、振り返る。
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