夏休み

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それ以上のことは、お互いに何も言わないし、話さなかったと思う。 だから、あたしも本当のところ、フウリの詳しい家庭の状況を知らない。 知る必要もない。 フウリが話そうとしないのなら、あたしも話す必要はないだろう。 少なくとも、あたしは何も話したくないのだから。 「――一日だけでも、ダメなのか?」 不意に、フウリが低い口調で、そうあたしに言った。 フウリを見ると、いつになく真剣な表情をしていたため、思わず返事に詰まる。 急にそんな顔をされたら、流石のあたしでも対応に困る。 「一日も休みがないってワケじゃねぇだろ?祭りの日くらい遊んだってバチは当たんねぇぜ?」 「そりゃそうかもしれないが…」 「よっし!じゃあ決まりだな!!」 「は?」 あたしの言葉を遮って楽しそうに笑うフウリ。 いやいやっ、OKした覚えはないぞ? 無視かこのドチビ!!
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