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それ以上のことは、お互いに何も言わないし、話さなかったと思う。
だから、あたしも本当のところ、フウリの詳しい家庭の状況を知らない。
知る必要もない。
フウリが話そうとしないのなら、あたしも話す必要はないだろう。
少なくとも、あたしは何も話したくないのだから。
「――一日だけでも、ダメなのか?」
不意に、フウリが低い口調で、そうあたしに言った。
フウリを見ると、いつになく真剣な表情をしていたため、思わず返事に詰まる。
急にそんな顔をされたら、流石のあたしでも対応に困る。
「一日も休みがないってワケじゃねぇだろ?祭りの日くらい遊んだってバチは当たんねぇぜ?」
「そりゃそうかもしれないが…」
「よっし!じゃあ決まりだな!!」
「は?」
あたしの言葉を遮って楽しそうに笑うフウリ。
いやいやっ、OKした覚えはないぞ?
無視かこのドチビ!!
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