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皆は知っているだろうか?
拉麺とは中華の様相を呈しているがしかし、列記とした日本料理の一種であるということを。
それは支那そば、中華そばという名からも判るはずだ。
確かに起源は中華、大陸から発したものであろう。
長い歴史を持つ文化圏だ、恐らく探せば出てくるだろう。
だが、完成形を容易く笑って無視出来ない。
判っている、だが至極不要な、己の不可解なしこりを感じるのだ。
醤油と見紛うばかりのスープの色。
鶏ガラから抽出したであろう香り。
うどんや素麺等、その他の麺とはまた違った食感を持つ中華麺。
薬味として細切りにされた葱、筍の発酵品であるメンマ。
海藻を寄せ集めて乾かした焼き海苔、煮込んだ時間が想像し難いほど柔らかい叉焼。
そして、おまけとばかりにスープ浮かぶ鳴門。
白地に混ざる桃色の渦巻きが無性に憎い。
「……あァ、そうか、是は拉麺というのだな」
拉麺である、ラーメンである、らあめんである。
……すまない、少々俺も混乱しているようだ。
俺が座るのは厨房に面した赤い長机を前に、丸い木の椅子に座っている。
店の門に掛かるは暖簾、それに記される字は拉麺・幸楽(コウラク)。
完全に日本語読みである。
酷く、頭が痛かった。
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