男運がないんです

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  「か、課長すいません。サンプル私が発送手配を」 と青い顔をしながら立ち上がると 「俺、車に来週のサンプル積んでるから、今から走ります」 今度は和田さんが立ち上った。課長が「頼む」と言うと同時に上着を羽織り外へ向かう。 「和田さんっ!」 涙目になりながら名前を呼ぶと 「高速飛ばせば3時間。午後に間に十分合うよ」 と笑い 「智ちゃん、悪いけど明日の会議の資料だけまとめといてくれる?」 そう言って走って出て行った。 自己嫌悪……いつもに増して最悪なミスだ。 涙が出そうになった。 「気にすんな、なつめ。誰でもミスはするよ。和田さんがフォローしてくれたし。なんとかなりそうだから」 「…………」
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