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親父は、私にまず楽しんで仕事をしているか?とききました。
私が、楽しくないよ。
今の仕事は苦痛でしかない。周りの人は、動きたくないから、いざとなると居なくなったり、適当にやっている。
それでも真面目に働いてて、給料は同じなんて有り得ないでしょ?
私は、一番年下だからその人達の二倍は働いてるよ?
そう親父に言うと、親父は
¨なら、それはチャンスだね!¨
そう言ったのです。
私は信じられなかった。
毎日、毎日遅くまで仕事をして、その人達の仕事も回ってきている状況なのに、それをチャンスだと言う親父がいたから、キレそうになっていた。
でも親父は、そんな私とは裏腹に、こんなことを話し始めた。
俺は今、車の修理工場をやっているだろ?
でも、修理工場だけあっても仕事じゃないんだよ。
整備をやるには道具がいる。
道具は、誰かが思いつかないとできないもの。
誰かが思いついて、それを作ったから今ここにある。
そして、修理するには、修理するための車があって、やっぱり誰かが思いついて作ったからここにある。
そして、その車を購入した人がいて、それでここに持ってきてくれた。
車は凄く便利だけど、一歩間違えれば自分たちの命に関わるんだ。
でもそれを俺の所に持ってきてくれて、俺に修理させてくれてる。
その事に感謝しなきゃならないよ。
だって他にも修理工場はあるんだけど、ここにきてくれたんだから。
それなら、自分のできることを精一杯やって、いつも笑顔で車に乗れるようにしないとな!
そうおもわないか?
そうやって、笑顔で話す親父をみて、私は何が自分に足りないのかわかった気がした。
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