これまでのアタシ

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親戚中をたらいまわしにされた挙句、アタシがたどり着いたのがここ肥田野家だった。 どの家も一年と経たない内にアタシを他の家に引き渡してしまっていたが、アタシがこの肥田野家に来てからすでに三年の月日が流れていた。 何年経ってもここの家の住人たちはアタシを他所に引き渡したりはしなかった。 だけど、一つだけ言えることは、今までたらいまわしにされてきたどの家よりも、ここは最悪だった。 そう、ここはこの世の地獄だった……。 ここ肥田野家は4人家族だった。 主の健一は大手デパートの重役で、表向きにはとても〝いいお父さん〟という印象で通っていた。 しかし、その実態は最悪の変態ヤローだった。 健一は夜、家族が寝静まると必ずアタシの寝室に忍び込み、ベッドの中で寝ているアタシの体を弄んだ。 アタシに自分の部屋を与えたのはこの為だったんだ。 アタシがこの家にやってきた初めの日の夜から、健一はアタシをレイプした。 健一はアタシの口を塞ぎ、アタシの耳元で臭い息を吹きかけながら低い声で唸るように言った。 「お前の兄貴は人殺しなんだ。世間にお前の居場所はないんだ。そんなお前を俺は引き取って飯を食わせてやってるんだ。お前は黙って俺に恩を返せばいいんだ……」 そう言って健一はアタシの股間に顔を埋めて気持ち悪い微笑みを見せた。死ぬほど気持ち悪くて悔しかった、アタシには他に行く場所がなかったし、当時15歳になったばかりのアタシは独りで生きていけないことを知っていたので、目をつぶり、時が過ぎるのをひたすら我慢していた。 【続く】
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