奏(かなで)

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戦場の絆 それは“ダイブインストールシステム”と呼ばれる技術を使った戦略ゲーム プレイヤーは“ダイブイン”によって“仮想世界”に送られ、そこで空想の起動兵器を操り相手チームと戦う…というルール つい最近まで完全なダイブインは一般的な娯楽使用が難しいとされてきたが財閥の目覚ましい技術進歩と共に人々の手に届く“商品”となった その“商品”こそが黒髪の少年が授業中にやっていたようなライトダイブ式オンラインゲームである では、簡略化されたライトダイブと本来のダイブインとでは何が違うのか 単純な話、ライトダイブはリアルな痛撃の感覚や匂いなどが再現できないということ ライトダイブはあくまでも携帯電話などの端末を媒体とした簡単な仮想世界への意識移行なので完璧な世界を再現できない (この点でライトダイブ式は完全な“仮想世界”と言い切れなくなってくるが…) その代わりにダイブと日常、つまりはリアルを同時に行う事ができいつでもログアウトする事もできる 反対にダイブイン式は完璧な仮想世界侵入が本来の目的なので上記に述べた痛みやリアルな匂いなどを再現する事が可能で土の香りや風の感覚に至るまで細部に渡りリアルと同等の感覚が味わえる 完全な仮想世界への意識移行の為にリアルと共有する事は不可能だが、まるでゲーム世界がリアルのように思ってしまう程の再現率は素晴らしいといえよう そのためログアウトは簡単にできないのだが、身体の限界も考慮しログイン時間が定められているのも1つの特徴だ そんなダイブインシステムもここ数年でゲームセンターなどを橋渡しとし世間に広がってきている 中でもダイブインシステムを使ったゲームはその再現率の素晴らしさが噂になり子供達だけでなく大人をも夢中にし仮想世界を人々の身近なものにしていった そして、その中でもリアルな戦場で空想の起動兵器を操り戦略を生かして戦う事のできるゲームとして人気を博したのが“戦場の絆”である
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