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俺はベッドの上で寝転がりながら携帯をいじっていた。
携帯の充電が切れそうだったので、充電しながら使用していた。
ベッドの近くにあるコンセントは足の方にある。
腕が疲れてきた俺は、何気なく天井に向け腕を伸ばす。
いつも問題なく行なわれる行為。
しかしその日は違った。
途中で携帯が引っ張られるような感触!
『ヤバイ!コードが何かに引っ掛かった!』
そう思ったが勢いのついた腕は止まらない。
無情にも手から離れる携帯。
しかし、携帯はだんだん俺に近付いてくる。
そう顔面に!
脳裏に走馬灯の様に過去の思い出が蘇る……ことはさすがになかった。
ゆっくりと墜ちてくる携帯。
『あれ?この速度なら痛くないんじゃね?』
ゴツン!!
携帯は前歯に命中した。
見事に期待は裏切られた。
ゆっくり感じたのはただの錯覚。
『前歯おれた!?』
慌てて手で触れ、前歯が無事であることを確認。
安堵した瞬間、激痛。
痛みで涙が滲む。
少しすると痛みはひいた。
いっそ誰かに見られていて、笑われたほうが気が楽だったかもしれない。
わざわざ他人に話しても恥をかくだけ。
俺は何事もなかったかの様に、再び携帯を手にとった。
なんだか空しくなった。
そして涙がでた……。
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