墜心

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彼は考えた。何故消える前に探せと言った言葉を。「君は私を消すためにさがさせたのではないのか?」 「ふふっ」彼女は笑う。「あなたならもう消えた。」首をかしげ「意味がわからない」と彼は言う。「闇に捉われていたあなたは消えた。だから今光があなたを照らしてる。」微笑を浮かべながら彼女は言う。「まったくもって意味がわからない。」彼は眉間にシワをよせ腕を組み考える。 彼女はイタズラな顔しながら「本当にわからないの?私はずっと目の前にいたんだよ。」 でも声が聞こえたとき彼には彼女を確認することができなかった。 「それはあなたが瞳を閉じていたから。あなたは自分の身体を闇に任せた。深く光も届かない闇に・・・あなたは闇に染まっていく途中だった。でもあなたは未来を見たがっていた。だから今あなたがここにいる理由になるの。私も同じように。」 「そうか・・・」彼は落胆ににも似たような声で呟いた。
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