墜心

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「ありがとう」彼はお礼をいい歩きだした。少しづつゆっくりとだが確実に一歩ずつ前へと足は運ぶ。彼女はいった。「私はいつでも見守ってる。あなたがこれからだす答えや道は正しいかはわからない。でもそれがあなたの欲しがるものに近づくためには必要な事。そう・・生きた証。それを手に入れたときまた会うかもね」彼女は今にも消えそうな蝋燭の火のような声で呟く。「さようなら。またね。」歩く彼を見ながら弱々しい光は消えていった。 彼は考える。生きた証とは何か、自分にとっての幸せとは何かを。 もしかしたらこの世界には自分が望もうとしてる物がないのかもしれない。自分が見つける前に誰かが隠してしまうのかもしれない。あるいは存在すらないのかも・・・だが彼は歩くだろう。そして見つけるだろう。 また光に会うために・・・
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