プロローグ

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悲鳴が聞こえた居間の台所に洗って置いた桜色のコップに水を溜めて、一通りの作業をこなしていたところで、一階で悲鳴を上げた当事者である姉の栗河雨水(クリカワアマミ)を一見して唖然としてしまう。 何で、トーストをトースターで焼いているのに焦げてんだ? しかも、ミルクもなんか黒いし? ミルクに緑色の物体が混じっているのはあえて気にしない方針で、泣き面になっていた社会人の姉に行ってきますと呟く。 何故か罪悪感を感じて僕は勢いよく扉を開ける。 蒼天の空を見て、爽快な気分で鞄を自転車のカゴに置くと、自転車を走らせ始めた。 今日が僕の厄日だとも知らずに。
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