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まずAは教室のカーテンを閉めた。
Bは目に涙を浮かべている。
Cは座りぼーっと見ている。
「準備は整ったわね。さぁ、みんな集まって」
4人が一つの机を囲んだ。
「ほら、人差し指を乗せて」
4人で10円玉に触れることは結構難しいことだった。
なんせ、花沢さんの指がデカいから。
「私が見本を見せるわ」
花沢さんは目をつむって
こっくりさんこっくりさん、おいでください
こっくりさんこっくりさん、おいでください
と唱えた。
「良い?わかった?今やる占いは、カツオ君と私が結婚できるかどうかを占ってもらうの。だから呪文は」
こっくりさんこっくりさん、カツオ君の好きな人は誰ですか
「だからね。」
そして4人で呪文を唱える段階になった。
『こっくりさんこっくりさん、おいでください』
『こっくりさんこっくりさん、おいでください』
…………!
「来たわよ…」
とうとう10円玉が鳥居から動き始めた。
Bはものすごく怯えている。
「B、途中でやめたらダメよ。絶対に指を離さないで」
「…うん…わかったよ…」
「じゃあここからが本番。いくわよ。」
また皆で唱える。
『こっくりさんこっくりさん、カツオ君の好きな人は誰ですか』
………動かない。
「もっかいやるわよ。せーの」
『こっくりさんこっくりさん、カツオ君の好きな人は誰ですか』
……………………動いた!!
AとBは半泣き状態だ。Cはタフだ。
4人が指を乗せている10円玉が少しずつ動く。
「どこに行くのかしら」
きっと は な ざ わ と記されるだろう。
「みてよA、は行に向かってる」
4人はだまっては行に注目した。
「ほら、私のなまえの は に向かっているわ」
しかし10円玉は、は を通り越し、ふ まで行ってしまった。
「……ふ?」
そんなはずない。ありえないわ。カツオ君は私のことが大好きなんだから。
そう自信を持っていたが、再び10円玉が別の方向に向かった。
か の列だ。
みなだまってこっくりさんを続ける。指が震えている。
10円玉が行き着いた先は… く。
?
ふ く?
おかしいゎ。こっくりさん、空気読んでないのね。
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