☆1☆

5/27
前へ
/27ページ
次へ
「いや…関係あるよ…。だってあたし女の子だし」 「…じゃあ正直に言うけど、家ヤバいのよ」 お母さんの顔が曇ったから少し焦る。 やバいのは知ってたけどそんなに? 「実はお母さんのスーパー潰れるらしいの、今度よしゆきは幼稚園に上がるし…」 「うそ…スーパーが……」 我が家が2年前に父をなくし、お母さんがパートに出て我が家を支えてくれていたんだけど、最近お母さんの体調もあまり優れなくてパートにも少ししか出れていない。 それでも、貧しいながらもお母さんのパート代で生活していたのに…。 チラッと翔を見ると、不安そうにあたしとお母さんを見ていた。 「ねぇ、心には本当に申し訳なく思うわ。……だけど………お願いよ。借金の支払いもあるし…」 借金…………? 「お、お母さん。借金って何?」 「あれ、言ってなかったけ?お父さん多額の借金を抱えててね……、あたしお父さんの保証人だったのよ」 末っ子のよしゆきだけが黙々とカレーライスを食べるなか、2人の弟はあ然としている。 そりゃそうだ。 あたしだってびっくりだもん! 「そんなの初めて聞いた!なんで言わないのよ……。て、てか、いくら?!」 「一千万円」 えええええええ!?
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

388人が本棚に入れています
本棚に追加