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「いや…関係あるよ…。だってあたし女の子だし」
「…じゃあ正直に言うけど、家ヤバいのよ」
お母さんの顔が曇ったから少し焦る。
やバいのは知ってたけどそんなに?
「実はお母さんのスーパー潰れるらしいの、今度よしゆきは幼稚園に上がるし…」
「うそ…スーパーが……」
我が家が2年前に父をなくし、お母さんがパートに出て我が家を支えてくれていたんだけど、最近お母さんの体調もあまり優れなくてパートにも少ししか出れていない。
それでも、貧しいながらもお母さんのパート代で生活していたのに…。
チラッと翔を見ると、不安そうにあたしとお母さんを見ていた。
「ねぇ、心には本当に申し訳なく思うわ。……だけど………お願いよ。借金の支払いもあるし…」
借金…………?
「お、お母さん。借金って何?」
「あれ、言ってなかったけ?お父さん多額の借金を抱えててね……、あたしお父さんの保証人だったのよ」
末っ子のよしゆきだけが黙々とカレーライスを食べるなか、2人の弟はあ然としている。
そりゃそうだ。
あたしだってびっくりだもん!
「そんなの初めて聞いた!なんで言わないのよ……。て、てか、いくら?!」
「一千万円」
えええええええ!?
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