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「はぁ……」
知らずこぼしたため息も、今日何度目なんかわからへん。
ガチャリ
無機質な音を立てて開いた扉の向こう側。
「…う、ち?」
「おかえり、亮ちゃん
えへへ。遊びに来ちゃった」
心に思い描いてた笑顔がそこにはあって。
ぎゅっ
「ただいま、博貴」
久しぶりにオレの名前を呼ぶその声があまりに愛しくて、衝動的に抱きしめていた。
「あー、亮ちゃんやぁ///
オレ、ずっと寂しかって
んで、会いに来てしまった」
博貴は、オレよりでっかい背中を丸めて、オレの肩に頭をぐりぐり押し付けてくる。
「オレも…会いたかったで?」
「ふふ、今日の亮ちゃん素直ー!」
「えぇやろ?たまには素直なオレも」
「うん!どんな亮ちゃんでも大好きだよ!!」
「オレもや」
「えへへー///」
腕の中のきみ。
今日はもう、離さない。
fin.
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