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困った……
かなり困った
雅の話で空を呼びたいが……
「………無理だ」
ドアを開ける勇気はない
家の前でウロウロしていたら楓を見つけた
「あっ、楓!」
「ひっ!」
逃げやがった……
楓や風は魔女の館と呼んで近付かなくなった
だからと言ってミンが嫌いになった訳ではないらしいが……
「う~ん」
「奏、何してんの?」
ラッキー!
「凱、すまないが空を」
「呼べば?」
「お前……」
「ったく、しょうがないな」
「すまない」
凱がノックしてドアを開けた
「空、奏が呼んでるぞ」
『わかった~』
助かった
「って来るな!」
何故、バッチのようにぶら下がっているんだっ!
『何?』
「ぞ、それをまず何とかしてくれ」
『可愛いでしょ?奏も』
「絶対お断りだ」
『バタバタ、ミンのところに』
「ちょっ!地面に」
『歩いて帰るよ』
「……………とにかく部屋で」
『わかった』
奴が居なくなってもさっきまで空の肩に……
空は可愛いし愛しているが、今は触りたくない
「そうだ、お風呂に」
『今はいい』
俺が困る
「………入るぞ」
『話は?』
「その後だ」
『もう……わかったよ』
よし、これで空に触れる
久しぶりに二人でお風呂に入った
『久しぶりだね』
「ああ」
『あっ、見て』
「うわぁーー!何で」
『可愛い、並んでぶら下がってる』
「出よう」
『へっ?』
何でわざわざ露天風呂の壁にぶら下がるんだ!
『話は?』
「すまない、忘れた」
『はい?』
マジで忘れてしまった
俺も歳かな……
ため息をつきながら空を見つめた
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