第一部 高二の夏

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九回の裏、川谷川高校の攻撃が始まる。 この回を抑えれば西海高校の勝利になる。 点差は僅か一点。 球場内が異様な緊張感に包まれている。 「頑張って」 夏美はそれしか言えなかった。 そして、遂に九回の裏が始まった。 西海高校は最初のバッターを三振で抑えた。 これで1アウト。残り二人。 続いてのバッターはカキーンと大きな音はしたが外野フライになった。 遂に2アウトを取った。 残り一人を抑えれば甲子園が確定する。 夏美は祈る気持ちでマウンドを見つめていた。 「あと一人・・・あと一人・・・」
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