第一部 高二の夏

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なぜそこまで西海高校が勝てると言い切れていたのには理由がある。 対戦相手の川谷川高校は野球の名門校ではない。 また西海高校は野球以外にも部活動が盛んで運動部は全国大会に出場したりと優秀な成績を修めている。 それに対して、川谷川高校は進学校で愛媛県内では名前が知られている。 難関の有名大学に毎年、何人もの合格者を出すくらいすごいのだ。 運動部に関しては目立って優秀な成績を残しているわけでも特に無かった。 いわば西海高校と川谷川高校は正反対の場所にいると言っていいのだ。 野球部に関しても川谷川高校は過去に一度も決勝戦まで来た事はなく、一、二回戦で破れていた。 だから、西海高校が勝つに決まっていたはずだった。 多分、西海高校の野球部内でも負けるとは全く考えていなかったのだろう。 それが良くなかったのかもしれない。 油断は禁物とはこの事を言うのだろう。
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