4453人が本棚に入れています
本棚に追加
その頃、部屋の中では男子が一人、ビクビク怯えていた。
『清龍』について知っていたのだろう。
「俺は…俺は…
絶対に死なないぞ…」
ブツブツと呟いている。
その時。
コンコンコンッ…
ベランダの方から僅かだが、ノック音が聞こえてきた。
男子は咄嗟に耳を塞いだ。
が、音はなりやまない。
それどころか、段々と音が大きく鳴っていく。
ドンドンドンッ…!!
「や、止めてくれ…
来るなっ!来るなっ!」
すると音がスッと止んだ。
少年は、ほっとして力が抜けた。
「はぁ……良かった…っ」
と言ったその時。
ガチャッ……
キー───ッ……
ベランダが開いた。
風が男子の頬を撫でる。
最初のコメントを投稿しよう!