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この世界……、
ボルサラダには、それぞれの種族の領があり、領の中でそれぞれの種族が暮らしている。
領の一つ……、「人間領」の中でも「トマティオ」という街に、魔物と戦う大きな組織「破魔」の本部がある。
トマティオは、人間領であるにもかかわらず、他の種族も沢山暮らしている。
「破魔」に所属しているのは人間だけではないのだ。
妖精、有翼人、獣人、機械人、エルフ、龍人…その他諸々。
街は活気に溢れている。
聳え建つビルが沢山ある中で、
「破魔」の本部前に、一人の少年がいた。
「……ここが本部。」
少年は、ある紙を持って、20階以上ある本部のビルを眺めた。
少年が持っている紙は、トマティオの地図と、「合格通知」と書かれた紙。
「ついに……、この時が来たか。
俺は、これから「破魔」に入って……。
魔物と…戦う。」
ビル風が頭に括ってあるバンダナを揺らす。
少年は、目を瞑って空を見上げ、決意したようにそう言った。
……が、次の瞬間……!
「………よく考えたら結構めんどくさいな。」
何かを決意したような前フリは何だったのか?
少年は欠伸したり背伸びしたり……。
「さってと!入るか!!
ここで力んでも始まらない!
あー、朝早くの列車乗って来たから眠みぃ…。」
少年は、すたすたと足早に本部へ入っていった。
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