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少年の名前は、コウ・セキラ。
年齢は16歳。まだまだ子供。
だが、一応火の魔術と剣の扱いが得意だ。
得意といっても、「破魔」では常人か中の下クラス。
おまけに人間である為、魔力も平凡。
エルフや妖精、龍人の足下にも及ばない。
コウは、本部の受付嬢に合格通知を見せる。
「合格通知に、とりあえずここで見せろって書いてあったんですけど…?」
「はい、コウ・セキラさんですね、合格おめでとうございます!
所属は戦闘部ですね。
激務になると思われますが、これから頑張って下さい!」
受付嬢はにっこり笑って、コウに、他の通信端末(携帯電話のような物)を手渡す。
「これに、他の戦闘員や、研究、情報調査員のアドレスを入れておけば、何時でも通信出来ます。」
コウは、赤い髪をくしゃくしゃと片手で掻きながら、通信端末をまじまじと見た。
「最初は誰のデータも入って無い……か。」
「はい、これからパーティを組んだり、知り合った人に教えてもらって下さいね。」
そう言われ、じゃあ早速……と、受付嬢に背を向けたところ……。
「あ!セキラさん、待ってください!
まだパートナーが決まってませんよね?」
コウはくるりと振り返って首を傾げた。
「パートナー??」
「はい。」
受付嬢は、説明を始める。
「パートナーを決める事は、破魔の戦闘部だけでなく、他の部でも行われています。
戦闘部では主に、協力して戦えるようにと言う事で。
まぁ、言うなれば最初のパーティメンバーと言う感じです。」
コウは腕を組んで話を聞いていた。
「パートナーか、何かめんど――じゃなくて、難しそうだな……。付き合いとか。
一人じゃダメなのか?」
「魔物に後ろからザックリやられてからじゃ、遅いですよ。
背中を預ける相手は、やっぱり必要でしょう!」
後ろからザックリ、という所で、コウは背筋がぞぞっとした。
「そりゃ必要だな……。
んじゃ、早いとこ決めようぜ?
どうやって決めるんだ?」
コウが受付嬢にそう尋ねると、受付嬢は本部内部の地図に印をつけて、コウに渡した。
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