プロローグ

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高校も二度めの夏がきた 一応、進学校でもあるこの月島学園は、大学への斡旋が強いため俺は中学の最後を勉強で潰した なぜ、そこまで大学にこだわるかと言うと、いわゆる親孝行ってやつだ 俺の両親は小学生の時に死んでしまった、家族三人で旅行へ行ったとき途中の渓でブレーキオイルが漏れているのを知らずガードレールを突き破り落下した 奇跡的に助かったのは俺だけだった 生憎、両親は知人が少なかったため身よりのない俺を母さんの妹さんが引き取ってくれた 単身の楓さんは、何不自由のない生活を俺にさせてくれて高校も行かせてくれた。 さらには、大学まで応援をしてくれる始末だ どこからそんな金が出るのか聞いたことはない、聞く気もないし第一聞いたところで自分が楓さんに出来ることはない なら、今できることは良い大学に行きエリート社員になって楓さんに楽をさせてあげたい。 だから、俺はこの1分1秒を睡眠にまわしている 「櫻ちゃ~ん」 「でっ!?」 物理の担当教師、冬木先生が教科書の角でど突いてくる
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