妄想に依存する女

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注がれたばかりの熱いお茶を、席に着いた彼らの前にそっと置く。 ―いらっしゃいませ、ご注文よろしいですか? ―俺ね、とんかつ定食。 ―俺は、エビフライ定食で。 ―はい、かしこましました。 (今日もエビフライなんだ…かわいいな。) 私のお目当ての彼は、明らかに年下。 いつもこの2人で昼の1時過ぎに、1週間に1度は必ず来ていた。 注文を終えるとお茶を一口飲み、ネクタイを少しだけ緩める姿が堪らない。
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