妄想に依存する女

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―大丈夫大丈夫、ちょっと濡れただけだし。 彼は初めて見る程の優しい笑顔で、私を安心させようとしてくれた。 ―でもスーツが…!クリーニング代支払いますんで、連絡先教えてもらえませんか?! ―クリーニング出す程じゃないっすよ。本当に大丈夫だから。 ―でも…そういう訳にはいきません! 彼は私の余りの必死さに根負けしたのか、テーブルに設置してある紙ナプキンに自分の裏ポケットから出したボールペンでメールアドレスを書き出した。
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