妄想に依存する女

7/21
前へ
/75ページ
次へ
―お待たせいたしました、エビフライ定食です。 気を付けてテーブルに置き、その場を後にする。 実際よほどボーッとしてなければお茶を倒すなんて初歩的なミスはしない。 かと言ってわざとお茶を倒す勇気も私にはない…。 これが、現実。 私が背を向けると彼が割り箸をパチン、と割る音が聞こえた。 (おいしく食べてね。) 心の中でそう呟くのがせめて私にできる事。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8428人が本棚に入れています
本棚に追加