*~*古塔の姫君*~*

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誰もが眠る漆黒の闇 真夜中の暗い闇の中で 揺れ動く二つの新海の蒼 占い師の女性は足音をたてずに 王様の部屋へ ゆっくりと忍び寄ります 自分を虜にさせるために 毎晩毎晩 少しずつ 呪文をかけに 少量ずつ媚薬を飲ませに そして少しずつ 城中のあちこちに 呪文や魔方陣を書いた 誰にも分からないような 天井の隅や屋根の上に いずれこの国を 手に入れるため 愛しの王様を 手に入れるため そして幼いながらに だんだんとお妃様に 似てきた王女を……
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